日々の暮らしから、小豆島の美しい景色や美味しい食べ物、人の営みを写真で伝える
『小豆島カメラ』が、「かどや製油」の魅力を掘り下げる記事をお伝えします。
地元で暮らす小豆島カメラが、島民にとっても身近でありつつ、知らないことがまだまだ多い、かどやのその魅力に迫っていきます。第3回目はメンバーの坊野美絵が小豆島工場を訪ね、油脂部製品課の坂本和馬さんにお話を聞きました。
食が豊かな小豆島で作られるごま油
こんにちは。小豆島カメラの坊野です。私は関西で生まれ育ち、2013年から小豆島で暮らしはじめました。私が小豆島に惹きつけられた理由のひとつは食が豊かなこと。島ではすももや、みかん、レモンなど四季を通じていろんな果物が楽しめます。
すだちやみかん、だいだいにレモンと柑橘の種類が豊富
ほかにも醤油やそうめんが作られており、400年以上の歴史が。日常的に工場の直売所に買いに行ったり、島での生活の中で出会った友人がその職人であったり、作り手と距離感が近いところも小豆島の魅力に感じています。
小豆島に来てすぐの頃に驚いたのは、島にかどやの工場があること。土庄港へ行くと、香ばしい香りが風に乗って漂ってきます。子どもの頃から馴染み深いあのごま油の香り。以来、工場の存在は知りつつ、そういえば、工場の中に入ったことはないし、どんな人が働いているかも知らないな…ということで、今回はかどや製油で働く人にお話を聞かせてもらおうと小豆島工場を訪ねました。
工場へ着くと油脂部製品課の坂本和馬さんが出迎えてくれました。
職場の仲間と野球をしたり、仕事終わりに釣りをしたりプライベートも充実
今回は、坊野が坂本さんよりお話を聞きました!
小豆島で生まれ育ち、子供の頃から馴染みのあるかどやは、働き先として憧れでした。 高校卒業後に一度島を出ましたが、その後、島に戻ってきて憧れのかどやに入社できたのです。毎日、車で30分くらいかけて出社しています。
入社して20年ほどは食品部二課に配属され、主にいりごま、すりごま、ねりごまなど食品胡麻の製造をメインに担当していました。その後、2年弱は油脂部製品課で、ごま油の充填ライン周りの業務を主に担当しています。 ごま油を瓶に詰めたり、箱詰めしたりする作業です。
箱詰めされた容器をラインに供給する坂本さん
先輩後輩ともに仲良く、チームを作って働いています。休みの日でも職場の仲間と一緒に釣りに行くほど仲がいいです。先輩が後輩の面倒をよく見るのが社風ですね。
社内に野球部があるんです。年に3、4回は大会に出て、大会後にみんなでお酒を飲むのが楽しみです。
コンベヤに乗って次々と運ばれていくかどやの太白ごま油
小学生の頃からずっと剣道をつづけてきて、恩師に頼まれたことをきっかけに、今は主に剣道の指導をしています。5時半頃に仕事が終わり、剣道の指導に行ったり、バレーボールをしに行ったり、釣りに行ったりすることもありますね。8時出勤なので、朝4時に起きて釣りに出てから出勤することもあります。最近はアオリイカを釣りました。船で海に出て、タイやアコウを釣ることもあります。職場の仲間もそれぞれに充実したプライベートを過ごしている人が多いですね。
アオリイカ(坂本さん提供)
取材当日、坂本さんが働く工場内も見学させてもらいました。衛生用のつなぎを着て、粘着テープで体のホコリを取り、工場入口前にある強力な風でホコリを取る機械に全身を通すなど、厳重な衛生対策を経て中へ。広い工場内には、見覚えある商品がコンベヤに乗って次々と運ばれていく様子が見れました。そのほかにも香ばしい香りと熱気に包まれる、ごま油の製造工場も見学。かどやの知られざる、手間のかかった製造工程を知ることができました。工場を見学していると、活気があり従業員同士が仲が良く、いい雰囲気の職場であることが伝わってきます。工場内の様子や製造工程については、今後の連載でもう少し詳しく触れていくのでお楽しみに。
余談ですが、初対面だった坂本さんは私の夫と秋祭りで神輿の担ぎ手仲間だったことがあることが分かりました...小豆島らしい距離感(笑)。
坊野 美絵 Mie Bono
大阪生まれ。2013年に香川県小豆島に移住。文と写真で魅力を伝えることを大切にライターとして活動中。香川県を中心に観光・医療・事業承継・農業などテーマはさまざまに取材記事を書いています。
Web Site:
文と写真
写真・文/坊野 美絵(小豆島カメラ)
のどかで温暖な感じのステキなところですよね
文章だけではわかりませんが、やはり工場の近くだとごま油の香ばしい香りが漂ってくるのですね。
以前私が働いた地域は、珈琲の工場の近くでした。
普段は匂いがしないのですが、風向きが変わると工場から珈琲の香りがしてきました。
と、同時にそれは雨がもうすぐ降るよ。とのお知らせでもありました(笑)